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胃ポリープ

胃ポリープとは

胃ポリープは、胃の粘膜表面にできる小さな腫瘤です。多くの場合、自覚症状はほとんどなく、胃カメラやバリウム検査などで偶然発見されることが多いです。
胃ポリープは大きく分けて以下の3種類があります。

  • 胃底腺ポリープ
  • 過形成性ポリープ
  • 腫瘍性ポリープ

過形成性ポリープや胃底腺ポリープは、がん化するリスクはほとんどありません。しかし、腫瘍性ポリープの一部には将来的にがん化する可能性のある病変(前がん病変)が含まれることもあり、注意が必要です。

胃底腺ポリープ

胃底腺ポリープは、炎症が少なくピロリ菌のいない健康な胃にできやすい良性のポリープです。周囲の粘膜と同じ色調で滑らかであり、胃の分泌腺が過剰に増えることで形成されます。
プロトンポンプ阻害薬(胃酸を抑える薬)を服用している場合には、ポリープが大きくなったり数が増えることがあります。がん化することはほとんどないため、基本的には切除の必要はなく、胃カメラで確認するだけで問題ありません。ただし、稀に胃底腺ポリープからがんが発生することも報告されており、定期的な観察が推奨されます。

過形成性ポリープ

過形成性ポリープは、赤みを帯び表面が凸凹しているのが特徴です。大きさや発生部位はさまざまで、1つだけのこともあれば複数見られることもあります。ピロリ菌に感染した萎縮性胃炎の胃にできやすい傾向があります。 ピロリ菌の除菌治療を行うと、ポリープが縮小したり消失することもあります。がん化の報告は少ないものの、リスクが全くないわけではないため、除菌後も年に1回程度の内視鏡検査による経過観察が推奨されます。

腫瘍性ポリープ

腫瘍性ポリープは、将来的にがん化するリスクがあるポリープです。代表的なものに腺腫があります。腫瘍性ポリープは、サイズが大きくなるほどがん化の可能性が高まるため、発見された場合は摘出や慎重な経過観察が必要です。症状がなくても定期的に内視鏡で確認することが重要です。

胃ポリープと関連疾患

胃ポリープは多くの場合、良性で症状が出にくいものですが、背景に慢性胃炎や萎縮性胃炎、ピロリ菌感染がある場合、将来的に胃がんのリスクが高まることがあります。また、過形成性ポリープや腫瘍性ポリープは、早期に発見・切除することで胃がんへの進行を防ぐことが可能です。 そのため、胃ポリープの管理は単なる観察にとどまらず、胃全体の健康状態や関連疾患の評価も兼ねて行うことが大切です。

胃ポリープの検査方法

胃ポリープの診断には胃カメラが最も有効です。胃カメラでは、胃の粘膜を直接観察できるため、ポリープの種類や大きさ、数を正確に把握できます。必要に応じて、ポリープの一部を採取して病理検査を行うことで、がん化の有無を確認することも可能です。 また、ピロリ菌感染が疑われる場合には、胃カメラと併せてピロリ菌検査を行うことで、今後のポリープの発生リスクや胃の健康状態を評価することができます。

胃カメラ検査について

胃ポリープの治療方法

ポリープの種類や大きさ、がん化リスクに応じて治療方針を決定します。

良性ポリープ(胃底腺ポリープ・過形成性ポリープ)

ポ基本的に切除は不要で、定期的な内視鏡検査による経過観察が中心です。ピロリ菌除菌を行うと、過形成性ポリープは縮小・消失することがあります。

腫瘍性ポリープ

ポがん化の可能性がある場合は、内視鏡による切除(ポリペクトミー)を行います。内視鏡で安全に摘出できる場合が多く、早期に治療すれば生活への影響も少なく済みます。

予防について

生活習慣の工夫

胃ポリープ自体を完全に防ぐ方法はありませんが、ピロリ菌除菌や胃酸の管理、暴飲暴食の回避、刺激物の摂取を控えるなど、胃粘膜への負担を減らす生活習慣が推奨されます。定期的な内視鏡検査と組み合わせることで、胃ポリープの早期発見・早期対応につなげることができます。