日帰り大腸ポリープ切除について
大腸カメラ検査では、大腸全体の粘膜を直接詳しく観察でき、必要に応じて組織を採取して病理検査で確定診断を行うことができます。さらに、出血部位の止血処置やポリープ切除といった治療も、その場で行うことが可能です。
特に「前がん病変」とされる大腸ポリープを発見した場合、その場で切除できる日帰り手術が大きなメリットとなります。入院の必要がなく、食事制限や下剤の服用といった事前準備も一度で済むため、患者さんの心身への負担を大きく軽減できます。
ただし、ポリープの大きさや数、位置などによっては入院による手術が必要になる場合もあります。その際には、適切な医療機関をご紹介し、スムーズに治療へ進めるように体制を整えています。
大腸ポリープとは
大腸ポリープとは、大腸の粘膜にできる「いぼ」のような隆起性病変のことを指します。小さなポリープは自覚症状がほとんどなく、健康診断や大腸カメラ検査で偶然見つかることが多いのが特徴です。
大腸ポリープにはいくつかの種類があり、中には将来的に大腸がんへ進行する「腺腫性ポリープ」も含まれます。そのため、症状がなくても早期に発見し、必要に応じて切除することが大切です。
また、ポリープが大きくなると、便に血が混じる、下痢や便秘が続くといった症状を起こすこともあります。大腸ポリープは大腸がんの予防につながる重要なチェックポイントであり、定期的な大腸カメラ検査が早期発見・早期治療の鍵となります。
大腸ポリープの原因
大腸ポリープの発生には、食生活や生活習慣、遺伝的な要因が関係していると考えられています。特に、脂肪分や動物性たんぱく質の多い食事、野菜や食物繊維の不足、飲酒・喫煙、運動不足などはリスクを高めます。また、家族に大腸ポリープや大腸がんの既往がある方は、発症しやすい傾向があります。加齢も大きな要因であり、40歳を過ぎるとポリープが見つかる頻度が高くなります。
大腸ポリープを放置するとどうなる?
ポリープの中には徐々に大きくなり、将来的に大腸がんへ進展するものもあります。特に腺腫性ポリープは、早期発見・切除が大腸がん予防に直結します。ポリープを放置すると出血や便通異常などの症状が出たり、がん化して治療が難しくなる可能性もあるため、内視鏡検査で見つかった場合は適切な時期に切除することが推奨されます。
大腸ポリープの症状
大腸ポリープは小さいうちは自覚症状がほとんどありません。そのため健康診断や人間ドック、大腸カメラ検査で偶然見つかることが多い病変です。大きくなると出血によって便に血が混じることがあり、便潜血検査で陽性となる場合もあります。また、ポリープの位置や大きさによっては、便通の変化や残便感、腹部の違和感を生じることもあります。自覚症状が出る頃にはポリープがかなり進行している可能性もあるため、症状がなくても定期的な検査が重要です。
大腸ポリープの治療方法
大腸ポリープが見つかった場合、多くは内視鏡を用いた切除が行われます。ポリープの大きさや形に応じて、スネアという器具で輪をかけて切除する「ポリペクトミー」や、電流を用いて粘膜ごと切除する「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」などが用いられます。これらは日帰りで可能なことも多く、患者さんの負担を軽減できるのが特徴です。ただし、大きなポリープや数が多い場合、がんの疑いがある場合には、入院して手術を行うこともあります。適切な治療を受けることで、大腸がんの予防につながります。