- アニサキスとは
- アニサキス症が疑われる症状とは?
- アニサキスは冷凍や加熱で対処できる?
- アニサキスが寄生しやすい魚介類
- アニサキスによって引き起こされる主な疾患
- アニサキスの診断方法について
- アニサキスの治療法
アニサキスとは

アニサキスは、アジ、イカ、サバ、サンマ、タラなどの魚介類に寄生する寄生虫の一種です。これらの魚を十分に加熱せず、生のまま食べることで、人の体内に侵入し、強い胃痛や腹痛、吐き気、嘔吐などの症状を引き起こすことがあります。特に寿司や刺身などの生食で感染リスクが高まります。
アニサキス症が疑われる場合は、胃胃カメラで寄生虫を直接確認・除去することができ、除去後は痛みが速やかに軽減するのが一般的です。
この寄生虫の幼虫は2~3cm程度の長さがあり、半透明で細長く、糸くずのような形状をしており、肉眼でも見える場合があります。ただし、目視で取り除けたとしても、見落とされている可能性もあるため、完全に安全とは言い切れません。
新鮮な魚であっても、アニサキスが潜んでいる可能性があるため、見つけた場合は生食を避け、中心までしっかり加熱するようにしましょう。
アニサキス症が疑われる症状とは?
以下のような症状が、魚介類を食べたあとに突然現れた場合は、アニサキス症の可能性があります。
- 魚介類を食べた後、急激にお腹の調子が悪くなった
- 強い腹痛が断続的に起こる
- みぞおち周辺に鋭い痛みを感じる
- 吐き気や嘔吐などの症状がある
これらの症状に心当たりがある方は、アニサキス症の可能性がありますので、当院の消化器内科を受診ください。
アニサキスは冷凍や加熱で対処できる?
アニサキスによる感染症(アニサキス症)は、生の魚介類を食べたときに発症しやすくなります。
予防するためには、以下のような処理が効果的です。
- -20℃以下で24時間以上冷凍する
- 60℃以上で1分以上しっかり加熱する
このような処理によってアニサキスは死滅するため、安全に魚介類を楽しむことができます。
アニサキスは15mmほどの細長い形状で、よく見ると肉眼で確認することが可能です。調理や食事の際には、よく観察することも大切です。
特に注意したいのが内臓部分で、アニサキスが潜んでいることが多くあります。たとえ新鮮な魚でも、内臓の生食は避けましょう。
また、「酢でしめた魚(シメサバなど)」もアニサキスを完全に無害化することはできません。生で食べる際には、よく噛むこともリスクを軽減する一つの方法です。安全な処理を行うことで、安心して魚介類を食べることができます。
アニサキスが寄生しやすい魚介類
アニサキスはさまざまな海産物に寄生することがあります。特に以下の魚介類は、寄生が確認されやすいため注意が必要です。
- イカ
- ホタルイカ
- サバ・サンマ
- サケ
- イワシ
- タラ
- ホッケ
この他にも、多くの魚介類にアニサキスが潜んでいる可能性があるため、生食をする際には十分な注意が必要です。
アニサキスによって引き起こされる主な疾患
胃アニサキス症
魚介類を生で摂取した後、数時間から十数時間のうちに、みぞおち周辺の強い痛みや吐き気、胃の不快感、嘔吐といった症状が現れることがあります。
この痛みには周期性があり、強まったり弱まったりを繰り返すのが特徴です。状態が悪化すると、蕁麻疹などの皮膚症状や発熱など、アレルギーに類似した反応が出る場合もあります。
腸アニサキス症
生の魚介類を食べてから半日〜数日後に、胃アニサキス症と似た症状(腹痛、吐き気、嘔吐など)が起こります。
進行すると腸の粘膜に損傷が生じ、腸閉塞(イレウス)や腸壁の穿孔、浮腫(むくみ)といった合併症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
消化管外アニサキス症
アニサキスが腸管などの消化管の外側にまで移動し、異なる部位に寄生することで発症します。寄生した場所によって症状が異なり、治療方針も変わります。正確な診断のためには、精密な検査が不可欠です。
アニサキスによるアレルギー反応
アニサキスアレルギーは、加熱処理や冷凍処理によって死滅したアニサキスが体内に入った場合や、アニサキス自体が除去された魚を摂取した場合でも、アレルギー反応が起きることがあります。
軽度の症状は蕁麻疹で済むこともありますが、場合によってはアナフィラキシーショックといった重篤な状態に陥ることもあります。アレルギーの既往がある方は、アニサキスが寄生する可能性のある魚介類を避けることが最も確実な予防法です。
アニサキスの診断方法について
アニサキスの治療法

胃カメラ検査によってアニサキスが発見された場合は、内視鏡に装着された鉗子(かんし)を使って、直接除去します。
ただし、食後すぐの胃内には食べ物が残っているため、アニサキスを取り残すリスクがあります。食後7時間以上空けてからの検査が理想的です。
当院では、WEB予約による当日検査にも対応しており、条件が整えばその日のうちにアニサキスの除去が可能です。
なお、当日検査を希望される場合は、直前の7時間以内に飲食をしていないことが必要です。
また、WEB予約で空きがない場合でも、お電話でのご相談により柔軟に対応いたします。お気軽にお問い合わせください。